2015年3月21日土曜日

牧師の会 政府要請・国会議員要請のご報告(2015年3月20日)


 特定秘密保護法に反対する牧師の会は3月20日、「秘密保護法」撤廃・「集団的自衛権行使容認」法整備を行わないことを求める政府要請・国会議員要請を行いました。

 この間、多くの国民の不安や反対の声、国外の懸念の声に耳を傾けることなく、政府は「特定秘密の保護に関する法律」法施行を強行し「積極的平和主義」の名の下に推し進める「戦争ができる国づくり」の流れを加速させています。
 奇しくも行動当日、自民・公明両党は「新たな安全保障法制に関する与党協議会」で、集団的自衛権の行使、米軍などへの後方支援など自衛隊活動拡大の法制の骨格について正式合意しました。
 このような動きに対し、政府要請と、各政党の国会対策委員長・幹事長クラスの衆議院議員を訪問し、要請文を手渡して見解を問いました。



<要請項目>

1、「特定秘密の保護に関する法律」撤廃のためにご尽力お願いします。2、日本が戦争へ進む道を開く「集団的自衛権行使」容認の法整備を行わないでください。3、憲法前文・第9条の平和理念を守り・生かしてください。




<政府要請>

 午前11時より。宗教者平和ネットが毎月行っている内閣府要請に、安海和宣共同代表が同席させてもらい、安倍晋三首相あての要請書を手渡しました。  行動には、日本山妙法寺やキリスト者平和ネット、カトリック正義と平和協議会、愛知宗教者平和の会などの代表が参加。合計10人が内閣府応接室で要請。内閣府からは担当官僚が二名。粛々淡々と、要請を受け取りました。



<国会議員要請>

 午後2時より。参議院が予算審議で落ち着かない中、衆議院に絞り、他党との調整や協議を行う立場の各党国会対策委員長、幹事長など11人をたずねました。  事前に要請趣旨をファクスで届け、電話で伺う旨を伝えてのぞみました。  対応は厳しい部分もありましたが、国会議事堂を見下ろすロケーションで国の為政者のためにとりなしの祈りをささげるときを持てたことには大きな意義があることではないでしょうか。  参加者は、安海共同代表、よびかけ人の柴田智悦師(同盟横浜上野町教会)、星出卓也師(日本長老教会西武柳沢キリスト教会)、そして賛同者の坂元俊郎師(バプ連湘南台バプテスト教会)、入江喜久雄師(同盟福岡めぐみ教会)、青木義紀師(同盟希望聖書教会)、ほか3名の合計9人でした。



●訪問先と対応についてのレポート● 

<秘書が応対してくれたところ>

谷垣禎一議員(自民・幹事長)  応接室にいれてもらい、女性秘書に要請文を読み上げて手渡し。「訪問のことは議員に必ず伝えます」。

佐藤勉議員(自民・国対委員長)  女性秘書が応対。「集団的自衛権容認について、先生の地元から不安や心配の声が寄せられていませんか?」との問いに「そういうご意見はありません」。「秘書さんご自身はいかがですか?不安はありませんか?」との問いに「秘書は答えてはいけないことになっています」。


井上義久議員(公明・幹事長)  男性秘書が応対。要請文を読ませてほしいと頼んだが、「私が聞いても何の意味もない。手渡しておきますから」と要請文を受け取り、読ませてくれなかった。

大口善徳議員(公明・国対委員長)  女性秘書が応対。ドアの外で要請項目のみ読ませてくれた。

細野豪志議員(民主・政策調査会長)  男性秘書。やや好意的。要請文・牧師の会のブックレットを手渡した。

高木義明議員(民主・国会対策委員長)  男性秘書が、ドアの外で要請文の読み上げを聞いてくれた。
「与党の法制骨格正式合意について、党としては声明やコメントを出さないのですか」との問いに、「出すと思いますよ。ホームページを見てください」。

松野頼久議員(維新・幹事長)  男性秘書が「代議士に伝えます」。

馬場伸幸議員(維新・国会対策委員長)  女性秘書が応対。要請文を読むことはできなかったが、話をして聖書を渡した。

吉川元議員(社民・政策審議会長、副幹事長)  男性秘書が「いま忙しいので要請書預かります」。



<留守>

玉城デニー議員(生活・幹事長、国対委員長)  朝の電話の際も、受付アポの際も不在。残念でした。




<議員と面談>



穀田恵二議員(共産・国対委員長)  前日に「お待ちしています」と連絡があり、要請文書にアンダーラインを引いて読み込んで待っていてくれた。

 昨秋の臨時国会に法案を提出した経緯や国会の内部事情を説明してくれ、野党の合意形成を働きかけ「廃止法案」提出のために尽力すると約束。参加者一人ひとりの意見や疑問に、メモを取りながら丁寧に耳を傾けてくれた。
 議員の地元の京都で宗教者を含む広い人びととの共同が進んでいることを紹介し、「秘密法も安保法制も、改憲も、やればれるほど民意とかけ離れ、反対の輪が広がります。たくさんの人たちに知らせる活動を丁寧に積み重ねて見方をつくっていきましょう」。「国会は多数の壁で動かないようにみえるでしょうが、与党議員も民意はすごく気にしている。とくに地元選出の議員へ働きかけると効果が大きいですよ」とアドバイスも。気が付けば1時間の懇談となった。牧師の会ブックレットと聖書を手渡し、最後に一緒に祈る時を持ちました。




<参加者の感想>


◎初めての経験で大変嬉しいでした。国会議員の秘書の方々の対応も色々でしたので、興味深い体験でした。これまで、議員会館に入れるとも思わず、国会見学もしたことないし、傍聴もしたことがないし、別世界・遠くから見ている、風景のような感じしかありませんでした。自分たちは国会議員とは、違う世界で、働いているという感じでした。でも国会議員の方を身近に感じて、国の政治がとても近いことを体感しました。これからも機会があれば、是非参加したいと思います。教会という現場で、平和のために働きたいと思いました。

◎社会的なことに対して無知で来てしまったが、今日は行動しないで後悔するよりも、行動して後悔した方がよいと思って参加しました。初めての活動でしたが、やる前は、門前払いが当たり前というイメージを持っていました。実際にやってみて、概ね当たっていたと実感しましたが、最後の共産党の穀田先生のところで、その中にも心ある議員がいると知って、嬉しくなりました。穀田先生から、こういう有権者の地道な働きが、実は、かなり議員にインパクトを与えるのだという本音を聞かせて頂き、この働きが無駄ではないと知って、励まされました。今後、より一層、希望を持って、草の根運動に力を入れていきたいと志を新たにしました。

◎たとえ参加者が少なくても主の目には大きな働きです。福音を携えて国会議員に伝えるのはこのような方法がいいでしょうね。今日は私にとって大変、充実した日であり、新しいVisionが与えられた日でした。ありがとうございます。黙示録12:11

◎重要な問題をなかなか多くの人に浸透させることができていないのがもどかしい。気が付いたら遅かった、との思いはしたくない。ローザンヌ誓約の理解について、社会への責任は宣教の大事な部分であると思う。




<備考>

 今回の要請行動に際し、多くの賛同者からメッセージをいただきました。一部を紹介し、祈りを合わせてくださった多くのみなさまに心から感謝申し上げます。

◎日本キリスト改革派 A牧師 (愛知県)
参加はできませんが、お祈りしています。また要請文を教会の掲示板に張り出しておきます。

◎日本ルーテル教団 B牧師 (北海道)
 いつもフェイスブックで多くの情報を提供してくださり、ありがとうございます。地方に住んでいますと、中々情報が入って来ないので、とても有り難いです。

◎同盟教団 C牧師 (北海道)
 参加できませんが趣旨に賛同し、教会でも取り上げて祈ります。主の御手の守りがありますように。

◎JECA D牧師 (千葉)
 ご連絡ありがとうございました。残念ですが、来週は時間が取れずすみません。お祈りしています。

◎E牧師(京都)

 レントにあっての聖金曜日ですね。大阪の自宅から、皆さまの行動に合わせて祈らせて頂きます。
 閣議決定という密室が、戦後の平和堅持の様々なたたかいを踏みにじる暴挙に、あらためてわが身と日本人の罪を知らされる思いがいたします。主にありて、平和を!